楽園映画は実話との違いは結末?モデルとなった事件の犯人は誰?

楽園映画は実話との違いは結末?モデルとなった事件の犯人は誰? ドラマ・映画

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綾野剛さん・杉咲花さん・佐藤浩市さんが出演する映画『楽園』の、衝撃の犯人の結末はもうご覧になりましたか?

豪華な俳優陣もとても魅力的ですが、そのストーリーにも注目が集まっています。

映画『楽園』は実話でモデルの事件があるというのは本当でしょうか?

モデルとなった犯人がいるとしたらかなりの事件ですよね。

今回は、映画『楽園』の原作とモデルとなった事件や犯人の結末について紹介します。

ネタバレを含みますが、これを見てから映画を観るとまた一層深いですよ。

記事の最後に映画『楽園』を無料視聴する方法をご紹介しています。

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楽園映画は実話なの?


まず、この映画が実話を基にしているという点を解説していきます。

この映画『楽園』には原作小説があります。

吉田修一さんの小説『犯罪小説集』です。

この原作小説は5つの短編小説で構成されていて、それぞれ基となった実話(実際の事件)があるんです。

実際に、どの事件をモデルにしているのかは明らかになっていませんが、以下の事件であると言われています。

  • 青田Y字路(あおたわいじろ)・・・北関東連続幼女誘拐殺人事件・今市事件
  • 曼珠姫午睡(まんじゅひめのごすい)・・・首都圏連続不審死事件
  • 百家楽餓鬼(ばからがき)・・・大王製紙事件
  • 万屋善次郎(よろずやまんじろう)・・・山口連続殺人放火事件
  • 白球白蛇伝(はくきゅうはくじゃでん)・・・元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件

このうちの『青田Y字路』・『万屋善次郎』を組み合わせて『楽園』として1本の映画になっているのです。

では、この2つの物語のモデルとされる実際の事件の詳細を見てみましょう。

 

『青田Y字路』のモデルとなった事件内容は?

『青田Y字路』のモデルとなったのは、北関東連続幼女誘拐殺人事件だと言われています。

北関東連続幼女誘拐殺人事件とは、1979年~1996年までの間に栃木県と群馬県の県境半径20キロ以内で発生した4件の女児誘拐殺人事件と、関連が疑われる1件の女児連れ去り事件(失踪事件)の5つの事件です。

5つの事件は全て真犯人が捕まっておらず、真相は分からずじまいとなっています。

北関東連続幼女誘拐殺人事件のうち、1990年に足利市内を流れる渡良瀬川周辺で4歳女児の遺体が発見された事件は「足利事件」と呼ばれています。

足利事件は、当時、容疑者が逮捕され有罪となったものの、後に冤罪が確定したことで広く知られています。

また、捜査当時、冤罪被害者となった菅家さん以外に、被害者幼女を連れて歩く不審な男の目撃情報が多数あり、一部のメディアが真犯人を特定しているともされていました。

しかしながら、真犯人が検挙されることはなく時効を迎えてしまっています。

この冤罪という点で、『青田Y字路』と内容が似ていますね。

更に調査を進めると、かなり似ている別の事件がありました!

 

『青田Y字路』のモデルは今市事件?

『今市事件』とは、2005年に現在の日光市であたる栃木県今市市で起きた小学1年生女児の誘拐事件です。

この今市事件は、下校途中に友達と三叉路で別れたのを最後に女児が連れ去られ、翌日 茨城県の山林で遺体で発見されました。

この犯人は、偽ブランド品を販売したとして母と共に商標法違反容疑逮捕されていた30代の台湾出身の男性が犯行に関与したと自供して逮捕されました。

事件の詳細としては、以下のことが捜査上でわかっています。

  • 子供の頃に日本語に苦労して、中学時代は引きこもりがちだった
  • 白いバンタイプの車を所有していた
  • 連れ去りの起きた周辺地域の土地勘があった
  • 有罪判決が出ているが、弁護側は冤罪であると主張している

こうした様々な点で、今市事件の方が『楽園』の内容に酷似していませんか?

記事後半に、映画のあらすじとネタバレがありますので、映画の内容を比べてみてください!

 

『万屋善次郎』のモデルとなった事件内容は?

『万屋善次郎』のモデルとなったのは、2013年に起こった山口連続殺人放火事件と言われています。

山口連続殺人放火事件は山口県周南市の8世帯14人という限界集落で起こった殺人事件で、同じ集落内の住民が5人を殺害し放火したという惨劇でした。

犯人の殺害動機は住民トラブルと言われています。

以下の点が、映画の内容と酷似しています。

  • 両親の介護で郷里の田舎にIターン
  • 村おこしに奮起して、村人の反感を買い孤立
  • 犬を飼っていた
  • マネキンなどを自宅に置いていた
  • 犯行後、自害しようとしていた

こちらの事件は、犯行当時に心神耗弱なども認められないとし、2019年8月に最高裁で死刑判決が確定しています。

どうでしょうか?

映画を観た方も、まだ観ていない方も、詳しいあらすじとネタバレで、モデルになっている事件とをくらべてみてください。

 

楽園映画の実話との違いは結末?


原作小説のモデルとなったと思われる実際の事件の詳細についてわかったところで、映画の内容との違いを見てみましょう。

まずは映画『楽園』のストーリーとなった『青田Y字路』と『万屋善次郎』のあらすじやネタバレを紹介します。

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ネタバレ情報を含みますので、内容を知りたくない方はご注意下さい![/voice]

 

『青田Y字路』(あおたのわいじろ)

主人公の豪士(たけし)は25歳の青年です。

7歳の時に、既に日本に住んでいた母の離婚を期に、母国を離れ日本にやってきました。

豪士の住む地域は、昔ながらの風習の残る地方都市です。

豪士は中学卒業後進学せずに働きますが、周囲となじめずすぐにクビになり、25歳の現在まで母親と共に、偽ブランド品を売って生活していました。

しかし、それを苦に思った村の年寄(年長者で有力者)五郎の妻の提案で、就職先を探してもらえる事になりました。

豪士の就職先の面接の日、「Y字路」で五郎の孫娘である愛華が行方不明になる事件が起こります。

愛華と最後に会っていた同級生の紡は、現場近くで白か青の車を見たと言い、町中は連れ去り事件かと騒然とします。

町の人々は、総出で愛華を探すこととなり、捜索には豪士も加わりました。

紡の父親とともにY字路の用水路を捜索しましたが、必至の捜索も虚しく、用水路から愛華のランドセルが見つかったのみで他に手掛かりはないまま、この事件は未解決となります。

それから12年の月日が過ぎ、紡は高校生となります。

この地域の夏祭りで竹笛を吹く紬は、明日のお祭りの為の稽古を終え、帰宅しようとします。

愛華の失踪直前、紡は愛華の作った花冠を受け取らず愛華を傷つけたことが失踪の原因ではないかと自分を責め続けていました。

そのトラウマで、いまだに背後から自動車が来ると、紡は恐怖に襲われるのでした。

夕暮れの帰路で、後ろから迫る自動車に恐れ慄き、紡は転んでしまいます。

その姿をみて、車から降りてきたのは豪士でした。

脚を怪我し、大事な笛を壊してしまった紡を、豪士は車で送り、新しい笛も買い与えます。

そんな豪士に紡は祭りに来てほしいといい、豪士は仕事の後で行くと答えるのでした。

お祭り当日の夜、なんと12年前と同じく小学生の女児が帰宅していないと五郎の元に連絡が入ります。

12年前の愛華の事件と同じように誘拐されたと思い、町中の人が犯人探しを始めます。

そんな中、紡の父が「豪士が怪しい」と言い出すのです。

紡の父親は盲腸で入院していました。

その病室の隣のベッドには、豪士の母親の恋人が入院していました。

その豪士の母親の恋人は、「お前の息子は人殺しだ!」と豪士の母親を罵っていたのを聴いていたのです。

更に紡の父は12年間の愛華ちゃん失踪時に、豪士が愛華ちゃんのランドセルを発見されない様にしていて怪しかったと言うのです。

これに同調した町民たちは、いつの間にか豪士が犯人だと決めつけて、豪士の家のドアを蹴破って押し入ります。

パニックになった豪士は町へ逃げ、油そば店に入ると店や自分自身に油をかけ手に持ったライターで威嚇します。

駆け付けた豪士の母親が、豪士にはアリバイがあると必死に訴えますが、間に合わず、豪士は店に火をつけ火だるまになって息絶えます。

その後、失踪した少女は警察で保護され犯人も捕まり、豪士は犯人ではなかったことがわかりました。

何とも後味の悪い話ですね・・・。

2つの少女誘拐事件が起こり、疑心暗鬼になった人たちに追い詰められた無実の青年。

しかし、12年前の愛華ちゃんの失踪に、豪士は関与しているのかが謎のままです。

 

『万屋善次郎』(よろずやぜんじろう)

豪士の焼身自殺の現場にもいた善次郎は、父の介護のため、Y字路の先の集落に移住し始めたばかりです。

善次郎は中学卒業後上京し、都内の工場に就職します。

仕事の良くできる男でした。

お見合いで出会った妻と順調な人生を歩んでいましたが、妻が白血病となり他界してしまいます。

妻亡き後、帰郷した善次郎は60歳を超えていましたが、高齢化している村では若い方だったため、何かと雑用を押し付けられます。

それらをきちんとこなしていき、父が亡くなったあとも村に住み続けていました。

善次郎は生活の手段として養蜂事業を始めたところ、元々仕事が良くできる人間であったこともありたちまち軌道に乗り始めます。

村人たちはこれ幸いと村おこし事業として自治体に声をかけようと盛り上がります。

そこで善次郎は、村おこしに必要な助成金を申請しようと、自ら率先して手続きに臨みます。

すぐには通らないと踏んでいた善次郎ですが、いともあっさり審査が通過し喜ばしいところでしたが、これを面白くなく思う人物がいました。

村のまとめ役をしていた伊作です。

伊作は内心は助成金が通ったことには満足していましたが、自分への報告が後回しだったことに「顔を潰された」と憤りを露わにしました。

このことがきっかけとなり、伊作に同調する形で村人たちは善次郎を村八分にするようになります。

更に不運なことに、ある日、善次郎の飼っていたレオという大型犬が村人の一人に噛みついてしまいます。

この事件以降、善次郎は日中の外出を禁じられ、家に引きこもりがちになった善次郎はどんどん孤立を深めていきます。

家に引きこもるようになった善次郎は、家の前にたくさんのマネキンを並べて化粧や衣装を着せたり、夜中に念仏を唱えながら村中を徘徊したりと奇妙な行動をとるようになり、村人たちはもはや誰も善次郎と関わろうとしなくなりました。

そして悍ましい事件が起こってしまいます。

善次郎とレオが忽然と姿を消し、代わりに善次郎が村八分となるきっかけを作った伊作とその他5人の村人の遺体が発見されたのです。

小さな村には報道陣が殺到し、大規模な犯人捜索が行われ、誰もが犯人は善次郎だと騒ぎ立てました。

そんな中、レオと殺害された被害者の飼っていた子犬のチョコが見つかり、間もなく腹部を刺して重傷となった善次郎が発見されます。

救急車の扉が閉まるときレオが悲しそうに声を上げ物語は終わりを迎えます。

最後にレオが遠吠えするのは、善次郎が亡くなったからなのかも…

 

モデルになった事件と結末の違いを検証

詳しいあらすじから、モデルとなったとされる実際の事件との結末の違いを見ていきましょう。

『青田Y字路』の愛華ちゃん失踪事件の犯人は、明らかになっていおらず被害者の遺体も見つかっていません。

しかし豪士(綾野剛)が犯人であるかのような匂わせがありますが、確定的な描写はありませんでした。

実際の事件である『今市事件』は、8年後に別件逮捕された犯人からの自供の末、有罪が確定していますが、冤罪説もまだまだ残っています。

事件発生から時間が経っている上、冤罪の可能性があるなど、共通点はありますが、映画の豪士のラストとは結末が違っています。

『万屋善次郎』では、集落での集団殺人については、映画・原作・実話ともに犯人は村八分を受けていた村民で一致しています。

結末は原作本では善次郎は息を引き取ったかのような描写となっていますが、実際の事件では犯人は保護され後に逮捕、実刑判決が下されています。

どちらも救いようのない結末で、なんとも後味の悪い想いが残りますね。

ただ、映画のそれぞれの犯人と疑われた人物たちについては、手を差し伸べる人がいたら、彼らを抱きしめてあげる人がいたら、事件には発展しなかったのではないかと思います。

そんな「救いの手」や「希望の光」を『楽園』というタイトルにこめているのかなと感じました。

 

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まとめ

映画『楽園』のモデルとなった実話事件の結末や犯人について紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

モデルの実話は冤罪事件も含まれていたり、犯人にも同情する事情があったりととても考えさせられる結末でした。

それにしても村八分だったり、人を追い詰める集団心理だったり、田舎は怖いですね。

重い内容となっていますが、「ひとすじの光をみた」というキャッチコピーのように、そこに『楽園』の希望を感じていただきたいと思える、そんな映画でした。

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